症例報告
機械的腸閉塞を呈し腸切除術を要したアレルギー性肉芽腫性血管炎の1例
進藤 吉明, 天満 和男, 今野 広志, 日比野 政則, 吉野 敬, 中村 正明
JA秋田厚生連雄勝中央病院外科
症例は37歳の男性で,腹痛と腹部膨満のため来院し,腹部X線検査所見より腸閉塞の診断で入院した.絶飲食,補液で改善せずCTで機械的腸閉塞と診断し,入院6日後に手術を施行した.トライツ靱帯から15 cm肛門側の部位より50 cmにわたり小腸壁の肥厚,漿膜の発赤,小腸間膜リンパ節の腫脹を認めた.一部,血流不良域もあり小腸を部分切除した.病理組織学的検査所見で粘膜下層にフィブリノイド壊死を伴う小中動静脈の破綻と出血を認め,その周囲に好酸球浸潤を伴う肉芽組織形成を認めた.アレルギー性鼻炎の既往,血管炎による発熱,体重減少,筋肉痛,および主要組織所見からアレルギー性肉芽腫性血管炎と診断した.現在まで再発を認めていない.アレルギー性肉芽腫性血管炎による腸閉塞の本邦報告例は自験例を含め6例であり,若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語
mechanical obstruction, allergic granulomatous angitis, enterectomy
別刷請求先
進藤 吉明 〒012-0055 湯沢市山田字勇ケ岡25 JA秋田厚生連雄勝中央病院外科
受理年月日
2007年12月19日
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