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第41巻 第8号 2008年8月 [目次] [全文 ( PDF 558KB)]
総説

外科侵襲時の臓器障害とtoll-like receptors

辻本 広紀, 小野 聡, 望月 英隆

防衛医科大学校外科学講座

 生体は細菌などの外敵の侵入や自身の組織損傷などを迅速に察知し,それらの排除や修復に見合った反応を惹起する.生体内には侵襲時に組織損傷の存在を生体に知らしめるとともに,それ自体に組織障害性を有するmediators(以下,alarmins)が産生されるが,Alarminsはtoll-like receptors(以下,TLRs)を介してそのシグナルが伝達されるものが存在することが示されている.細菌侵入時には,生体の免疫細胞はTLRsを介して病原関連分子パターン(pathogen-associated molecular pattern;以下,PAMPs)によって活性化され,炎症性サイトカインやalarminsを産生する.一方,非感染性侵襲時には直接的にalarminsが産生される.このように,感染性・非感染性を問わず,侵襲時に産生されるalarminsは組織・臓器障害を惹起し,同時にTLRsなどを介してさらなるalarminsの産生を促進する.このようなサイクルが,外科侵襲時の臓器障害の発生・増悪のメカニズムとして考えられる.しかし,TLRsは病原体侵入の最初の段階でセンサーとして働くため,いかなる時期にTLRsシグナルを制御すべきか現時点では不明である.今後,TLRやPAMPs,alarminsとのinteractionに立脚した侵襲への対応策が確立されれば,外科侵襲時の組織・臓器障害に対する有用な治療法として期待されよう.

索引用語
toll-like receptor, surgical stress, organ injury

日消外会誌 41: 1557-1564, 2008

別刷請求先
辻本 広紀 〒359-8513 所沢市並木3-2 防衛医科大学校外科学講座

受理年月日
2008年2月20日

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