症例報告
嚢胞液中のCA19-9が高値で胆管嚢胞腺腫・腺癌との鑑別が困難であった肝嚢胞の1例
座波 久光, 砂川 宏樹*, 嘉数 修, 渡邊 未来子, 比嘉 幹子, 川上 浩司, 稲嶺 進, 當山 鉄男, 大城 直人, 仲間 健**
中頭病院外科, 琉球大学器官病態医科学講座病態消化器外科学分野*, 中頭病院病理**
症例は66歳の女性で,人間ドックの腹部超音波検査で肝右葉に16×12 cm大の嚢胞性病変を指摘された.内部には隔壁と充実性成分を認めたため,陳旧性出血を伴った単純性肝嚢胞と胆管嚢胞腺腫・腺癌との鑑別目的で嚢胞内溶液の穿刺を行った.その結果,嚢胞液中のCA19-9は280,000 U/mlと異常高値であった.画像および穿刺液の腫瘍マーカー値より,胆管嚢胞腺腫・腺癌は否定できないと判断し,手術を施行した.術中所見では厚い皮膜に包まれた嚢胞性腫瘤を認め,腫瘤の核出術を行った.組織学的検査では陳旧性出血を伴う単純性肝嚢胞であり,腫瘍性病変は認めなかった.肝嚢胞性疾患の鑑別診断に,嚢胞液内の腫瘍マーカーを用いる場合には注意が必要である.
索引用語
liver cyst, CA19-9, cystadenoma
日消外会誌 41: 1594-1598, 2008
別刷請求先
座波 久光 〒904-2195 沖縄市知花6-25-5 中頭病院外科
受理年月日
2008年1月30日
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