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第41巻 第8号 2008年8月 [目次] [全文 ( PDF 567KB)]
症例報告

膵癌局所再発に対して化学放射線療法が有効であった1例

中村 典明, 中島 和美, 五関 謹秀, 有井 滋樹

東京医科歯科大学肝胆膵・総合外科, 秀和総合病院外科

 症例は49歳の女性で,閉塞性黄疸を契機に膵癌と診断され,2002年8月膵頭十二指腸切除を施行した.2005年3月,CA19-9の上昇が認められ,腹部CTにて上腸間膜付近の局所再発と診断.外科的切除は困難と判断し,ゲムシタビン(以下,GEM)を用いた化学放射線療法(GEM 400 mg/m2/week(5週連続投与),および2.0 Gy×25回(50 Gy))を施行.有害事象は見られなかった.CA19-9は速やかに低下,CT上腫瘍の縮小が認められた.以降,外来にてGEM(1,000 mg/m2)を隔週で投与しているが,初回治療より5年が経過した現在,再燃の兆候は認めていない.膵癌術後補助療法の報告は多いが,再発巣に対する積極的な治療報告は少ない.今回,報告した化学放射線療法は,再発巣に対しても有効な治療法と考えられた.

索引用語
pancreatic cancer, local recurrence, chemoradiotherapy

日消外会誌 41: 1610-1614, 2008

別刷請求先
中村 典明 〒113-8519 文京区湯島1-5-45 東京医科歯科大学肝胆膵・総合外科

受理年月日
2008年2月20日

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