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第41巻 第10号 2008年10月 [目次] [全文 ( PDF 788KB)]
原著

成人鼠径ヘルニア術後慢性疼痛に対する予防的腸骨鼠径神経摘出

成田 匡大, 岡本 正吾, 小柴 孝友, 山神 和彦, 坂野 茂, 山本 正之

神鋼病院外科, 公立甲賀病院外科

 背景:鼠径ヘルニア術後の慢性疼痛は保存的治療に抵抗性で再手術を余儀なくされる場合が多く,その予防法の確立が重要である.我々の施設では術後慢性疼痛を予防すべく,2004年3月から予防的腸骨鼠径神経摘出を行っている.これらの術後慢性疼痛発症率について,神経を温存していた従来の方法と比較検討した.方法:2003年1月から2005年3月までに当院で局所麻酔下にPROLENE Hernia Systemにてヘルニア修復術を行った成人男性142例148病変を対象に,外来診療時もしくは郵送によるアンケート調査を行い,術後3か月以降の慢性疼痛の有無を調べた.対象の内訳は,2003年1月から2004年3月までの68症例72病変は腸骨鼠径神経を温存する神経温存群(以下,A群)と,従来の術式に加えて腸骨鼠径神経を摘出した2004年4月から2005年3月までの74症例76病変(以下,B群)の2群とした.結果:神経摘出群で慢性疼痛の発症頻度が有意に低かった(A群;31.6% vs. B群;15.0%;p=0.034).一方で,患者が訴える痛みの表現により神経因性疼痛か否かを評価したところ,神経摘出による術後神経因性疼痛の発症率に有意差は見られなかった(A群;17.5% vs. B群;10.0%;p=0.242).考察:open tension-freeヘルニア修復術術後慢性疼痛の予防に腸骨鼠径神経摘出の有効性が示唆された.

索引用語
inguinal hernia, chronic pain, neuralgia, neurectomy, Prolene Hernia System

日消外会誌 41: 1765-1774, 2008

別刷請求先
成田 匡大 〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54 京都大学外科

受理年月日
2008年3月26日

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