症例報告
頸部食道嚢胞の1手術例
星野 真人, 小村 伸朗, 中田 浩二, 川崎 成郎*, 小林 進, 矢永 勝彦*
東京慈恵会医科大学附属柏病院外科, 東京慈恵会医科大学外科学講座消化器外科*
症例は67歳の男性で,嚥下困難を主訴に上部消化管内視鏡検査を施行したところ,切歯より18 cmの頸部食道に長径30 mm大の粘膜下腫瘍を認めた.症状が強いことから手術適応と判断した.左頸部弧状切開にて食道にアプローチし,食道前壁を切開して腫瘍を直視下に確認した.腫瘍は後壁由来であり,全層性に切除した.肉眼検査的には25×15×10 mm大の紡錘型単房性腫瘍であり,内容は淡黄色の液体成分であった.病理組織学的検査では,扁平上皮下に淡明もしくは好酸性胞体を示す細胞層からなる嚢胞形成が認められ,食道嚢胞と診断した.頸部食道嚢胞はまれな疾患であるため,文献的考察を交えて報告する.
索引用語
esophageal cyst, surgical resection, dysphasia
日消外会誌 41: 1775-1779, 2008
別刷請求先
星野 真人 〒277-8567 柏市柏下163-1 東京慈恵会医科大学附属柏病院外科
受理年月日
2008年3月26日
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