症例報告
Oxaliplatin/fluorouracil/leucovorin療法が奏効した直腸癌術後脳脊髄転移の1例
窪田 健1)2), 神山 順1), 糸井 啓純1), 大辻 英吾2)
明治鍼灸大学附属病院外科1), 京都府立医科大学消化器外科2)
症例は49歳の男性で,下部直腸の2型腫瘍,および単発性肝転移に対し,直腸切断術,肝S5亜区域切除術を施行した.術後,ホリナート・テガフール・ウラシル療法中に小脳転移を認め,摘出術を施行した.その後,脳脊髄転移が出現してきたため,脳転移に対してはガンマナイフを,脊髄転移に対しては摘出術を施行した.MRIで脊髄腫瘍の残存,同時に脳転移の再増殖を認めたため,oxaliplatin/fluorouracil/leucovorin(以下,mFOLFOX-6)を開始した.開始1年後の奏効度をResponse Evaluation Criteria in Solid Tumorsにより評価したところ,腫瘍減少率は75%,新病変の出現も認められず,部分奏効が得られた.転移性脳腫瘍に対する化学療法は一般に無効であることが多い.今回,我々はmFOLFOX-6療法が奏効した直腸癌術後脳脊髄転移症例を経験したので報告する.
索引用語
rectal cancer, brain metastasis, FOLFOX
日消外会誌 41: 1988-1993, 2008
別刷請求先
窪田 健 〒602-8566 京都市上京区河原町通広小路上ル梶井町465 京都府立医科大学消化器外科学教室
受理年月日
2008年4月23日
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