症例報告
後腹膜にのみ病変を認めた悪性黒色腫の1例
松谷 英樹, 大石 晋, 吉崎 孝明, 池永 照史郎一期, 舘岡 博, 黒滝 日出一*
大館市立総合病院外科, 同 病理*
症例は78歳の女性で,平成2年5月,直腸癌(高分化腺癌)に対して直腸切断術を施行後外来通院中,平成18年10月,CA19-9の軽度上昇を認め腹部CTを施行したところ,左内外腸骨動脈間に径43×39 mm大の類円形の腫瘤を認め11月下旬に入院となった.CT所見で原発性の腸管外間葉系腫瘍あるいは直腸癌のリンパ節転移と診断し,手術を施行した.術中所見で左内外腸骨動脈間に腫瘤を認め,腫瘤摘出術を施行した.摘出標本では腫瘍は5×4.5×4 cmで,内部は白色充実性で出血壊死を伴っていた.組織学的診断は悪性黒色腫であった.術後に全身検索を施行したが原発巣は同定されなかった.インフォームドコンセントを行いDAC-Tam療法を施行し,術後7か月現在無再発生存中である.
索引用語
malignant melanoma, retroperitoneal tumor
日消外会誌 41: 2081-2086, 2008
別刷請求先
松谷 英樹 〒017-0885 大館市豊町3-1 大館市立総合病院外科
受理年月日
2008年5月21日
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