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第41巻 第12号 2008年12月 [目次] [全文 ( PDF 499KB)]
臨床経験

回腸嚢肛門吻合術を施行した小児潰瘍性大腸炎の検討

羽根田 祥, 舟山 裕士, 福島 浩平, 柴田 近, 高橋 賢一, 小川 仁, 渡辺 和宏, 工藤 克昌, 神山 篤史, 佐々木 巌

東北大学大学院生体調節外科学分野

 潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;以下,UC)では小児期に手術を行うことが少なくないが,学業への影響,手術適応,成長障害など小児特有の問題がある.当科で1987~2004年の間に小児期(15歳未満)に初回手術を施行したUC8例について検討した.手術は全例2期あるいは3期分割で大腸全摘,回腸肛門吻合(ileo-anal anastomosis;以下,IAA)術を行った.手術適応は重症4例,難治3例,出血1例で緊急手術となった例は5例であった.術前平均総ステロイド投与量は9,855 mgであった.術後早期合併症は創感染3例のみで,晩期合併症は腸閉塞2例,重症pouchitis,回腸瘻狭窄,吻合部狭窄をそれぞれ1例ずつ(重複含む)認めた.重篤な合併症は認めなかった.手術後の排便機能は良好であり,また成長障害は認めず,現在頻回の通院を要している例は1例のみであり学業・就労への影響もほとんどないものと思われた.小児UCに対するIAAは良好な結果であった.

索引用語
ulcerative colitis, pediatric, surgery

日消外会誌 41: 2087-2091, 2008

別刷請求先
羽根田 祥 〒980-8574 宮城県仙台市青葉区星陵町1-1 東北大学大学院生体調節外科学分野

受理年月日
2008年6月18日

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