症例報告
タクロリムス軟膏が著効した壊疽性膿皮症の1例
柳澤 和彦, 山本 雅由, 谷澤 伸次*, 武田 由美子*, 明石 義正, 大河内 信弘
筑波大学消化器外科, 筑波大学付属病院看護部*
免疫抑制剤を含有する軟膏を用いた壊疽性膿皮症の治療経験について報告する.症例は25歳の男性で,Crohn病に伴う難治性痔瘻のため,S状結腸に人工肛門を造設されていた.内科的治療によって全身状態は良好であったが,人工肛門周囲に,急速に増大し,疼痛を伴う潰瘍が出現した.壊疽性膿皮症と診断し,ステロイドの全身投与およびタクロリムス軟膏を使用することによって速やかに改善した.人工肛門周囲の壊疽性膿皮症は難治性であり,治療に苦労することが多い.欧米では壊疽性膿皮症に対するタクロリムス軟膏の使用が行われることがあるが,本邦では報告例が少ないため,今回,タクロリムス軟膏による治療経験を文献的考察も含めて報告する.
索引用語
Crohn diease, peristomal pyoderma gangrenosum, tacrolimus ointment
別刷請求先
柳澤 和彦 〒305-8575 つくば市天久保2-1-1 筑波大学消化器外科
受理年月日
2008年9月17日
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