高精度肝画像解析ソフトにより右門脈裂を確認できた転移性肝癌の1切除例

高橋　一広, 佐々木　亮孝, 柳沢　和彦, 稲川　智, 近藤　匡, 福永　潔, 山本　雅由, 寺島　秀夫, 小田　竜也, 大河内　信弘

筑波大学大学院人間総合科学研究科消化器外科

　通常，右門脈裂には解剖学的指標がない．今回，我々は右門脈裂と考えられる裂溝が肝表面に観察できた症例を経験し，高精度肝画像解析ソフトを用いて右門脈裂であることを確認したので報告する．症例は72歳の男性で，大腸癌の異時性肝転移の診断にて当科紹介された．CTで肝S7に直径3 cm大の単発性転移を認めた．肝部分切除術を施行し，術中に肝表面に右門脈裂と考えられる裂溝が認められた．Multidetector-row computed tomographyのdigital imaging and communications in medicine dataを肝画像解析ソフトに取り込み，裂溝について検討した．肝表面の裂溝は明瞭に右傍正中領域と右外側領域の境界をなしており，肝表面の裂溝は右門脈裂と確証できた．

索引用語
portal fissure, liver simulation, notch

別刷請求先
高橋　一広　〒305-8575　つくば市天王台1-1-1　筑波大学大学院人間総合科学研究科消化器外科

受理年月日
2008年7月23日

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