症例報告
Fluorine-18-Fluorodeoxy-Glucose Positron Emission Tomographyにて集積を認めず術前診断に苦慮した肝内胆管癌の1例
奥田 雄紀浩, 寺嶋 宏明, 山田 篤史*, 小西 二三男**, 川上 義行, 廣瀬 由紀, 松下 利雄
福井赤十字病院外科, 同 放射線科*, 同 病理**
症例は69歳の女性で,上腹部痛を主訴に精査入院,腹部CTにて肝S8-S4に局在し,右肝静脈と接する造影効果の乏しい径3.5 cmの腫瘤を認めた.腫瘍形態と造影パターンより肝内胆管癌・転移性肝癌・肝硬化性血管腫が鑑別診断となり,Fluorine-18-fluorodeoxy-glucose positron emission tomography(FDG-PET)ではstandardized uptake value 2.4と腫瘍へのFDG集積を認めなかった.しかしながら,超音波ガイド下生検ではadenocarcinomaと組織学的に診断され,上下部消化管検索で悪性病変を認めなかったことより,肝内胆管癌の術前診断で肝中央2区域切除術,右肝静脈合併切除,肝門部リンパ節郭清を施行した.最終病理組織学的診断はmoderately-differentiated cholangiocellular carcinomaであり組織学的には右肝静脈への浸潤とリンパ節転移は認めなかった.
索引用語
intrahepatic cholangiocarcinoma, FDG-PET
別刷請求先
奥田雄紀浩 〒918-8501 福井市月見2-4-1 福井赤十字病院外科
受理年月日
2008年7月23日
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