症例報告
15年の長期生存が得られているS状結腸癌膵・肺転移の1切除例
内海 方嗣, 赤在 義浩, 谷口 文崇, 高畑 隆臣, 大原 利憲
岡山済生会総合病院外科
今回,S状結腸癌膵・肺転移に対して転移巣切除を行い長期生存が得られている症例を経験したので報告する.症例は56歳の男性で,S状結腸癌に対して1993年5月にS状結腸切除術,肺転移(S6)に対して同年6月に右下葉切除術を施行した.その後,1994年6月より血清CEAが上昇し,1995年3月の腹部CTで膵尾部に腫瘤性病変を認めた.膵腫瘍の診断で1995年4月に膵体尾部切除,脾・左副腎合併切除を行った.病理組織学的検査では大腸癌の転移と診断した.1995年11月には右上葉(S3)の転移に対して右上葉部分切除を行った.現在,原発巣切除から15年,膵転移巣切除から13年が経過したが,再発所見なく健在である.大腸癌の膵転移は予後不良で報告例は少ないが,切除により予後は期待できる可能性があり,根治性が得られれば積極的に手術をすべきと考えられる.
索引用語
pancreatic metastasis, colon cancer, long term survival
別刷請求先
内海 方嗣 〒700-8511 岡山市伊福町1-17-18 岡山済生会総合病院外科
受理年月日
2008年7月23日
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