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第42巻 第3号 2009年3月 [目次] [全文 ( PDF 386KB)]
原著

終末期胃癌症例に対する消化器外科医による緩和医療の効果

中村 陽一, 長尾 二郎, 草地 信也, 斉田 芳久, 渡邉 学, 中村 寧, 榎本 俊行, 片桐 美和, 長尾 さやか, 渡邊 良平

東邦大学医学部外科学第3講座

 はじめに:消化器外科医を中心とした緩和ケアチームによる治療状況について検討を行った.方法:終末期胃癌患者53例を対象に緩和ケアチーム設立以前の前期(18例)と設立後の後期(35例)に分け治療状況の変遷を検討した.結果:疼痛管理が行われた症例は前期61.1%,後期85.7%であった.WHO疼痛ラダーに従った投与は前期58.3%,後期96.7%に行われ,オピオイドに対する副作用対策(嘔気,便秘)が予防的に実施されたのは前期18.2%,後期79.2%であった.後期において酢酸オクトレオチドやハロペリドールの持続皮下投与が導入され,40%に施行されたが,胃管やイレウス管を再挿入する症例は認めず,癌性イレウスに対する有効性を確認した.全身倦怠感や食欲不振には前期11.1%,後期54.3%にステロイドが投与された.死亡前日の輸液量の平均は前期1,361.7 ml,後期816.2 mlと後期で減少していた.また,後期では患者の状態により輸液の皮下投与を選択した.最終入院での高カロリー輸液実施率は前期27.8%,後期11.4%と減少した.考察:緩和ケアチームが立ち上がった後期以降において,消化器外科医の緩和医療に対する認識が高まり,オピオイドを含めた鎮痛薬の適正な使用,消化器症状を中心とした症状コントロール,適正な輸液管理が行われていることが確認された.

索引用語
palliative medicine, opioid, gastric cancer

日消外会誌 42: 233-237, 2009

別刷請求先
中村 陽一 〒153-8515 目黒区大橋2-17-6 東邦大学医療センター大橋病院第3外科

受理年月日
2008年9月24日

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