症例報告
他臓器の損傷を伴わない外傷性胃離断の1例
森山 秀樹, 山村 浩然*, 北村 祥貴, 西田 佑児, 竹原 朗, 芝原 一繁, 佐々木 正寿, 小西 孝司
富山赤十字病院外科, 金沢有松病院*
症例は18歳の女性で,自動車運転中の自損事故で受傷し,当院へ救急搬送された.シートベルトは着用していなかった.腹部全体が板状硬で上腹部に著明な圧痛を認めた.腹部CTで腹腔内遊離ガスを認めた.外傷性消化管損傷による汎発性腹膜炎が疑われたため緊急手術を施行した.腹腔内には血性の腹水があり,胃前庭部の離断を認めた.幽門側胃切除を施行し,Billroth II法再建,Braun吻合を行った.術後経過は良好で術後15日目に退院した.他臓器の損傷を伴わない外傷性胃離断の報告は今までに1例もない.その発生機序を考察し報告する.
索引用語
gastric transection, trauma, gastrectomy
別刷請求先
森山 秀樹 〒920-8641 金沢市宝町13-1 金沢大学医学部付属病院心肺・総合外科
受理年月日
2008年10月22日
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