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第42巻 第4号 2009年4月 [目次] [全文 ( PDF 771KB)]
症例報告

胃癌術後にたこつぼ型心筋症により心原性ショックを呈した1例

沖野 哲也, 栗崎 貴, 大原 千年, 内野 良仁, 三角 郁夫

国病機構熊本再春荘病院外科, 同 循環器科

 症例は74歳の女性で,肝浸潤を伴う胃癌にて胃全摘+肝外側区域切除を施行した.第1病日,突然頻脈と呼吸促拍が出現し,胸痛はないものの胸部違和感を訴えた.トロポニンTとbrain natriuretic peptide(以下,BNP)は上昇を示したが,心筋逸脱酵素は正常であった.胸部写真で心拡大と,心電図の前胸部誘導でST上昇を認めた.心エコーで心基部の過収縮と,広範囲の壁運動低下を認め,蛸壺様の特徴的な所見からたこつぼ型心筋症と診断した.第6病日,著明な低酸素血症とショック状態となり人工呼吸管理を要した.胸部写真でうっ血と肺炎像を認め,肺炎による増悪が考えられた.肺炎の改善につれ全身状態は改善し,術後3週間で左室壁運動も正常化した.たこつぼ型心筋症は非心臓疾患が誘因となり手術以外でも麻酔,内視鏡検査,その他外科的処置などで発症するとされ,外科医が日常臨床の身近なところで経験する疾患であるとの認識が重要であると考えられた.

索引用語
Takotsubo cardiomyopathy, gastric cancer, cardiogenic shock

日消外会誌 42: 430-435, 2009

別刷請求先
沖野 哲也 〒861-1196 合志市須屋2659 国病機構熊本再春荘病院外科

受理年月日
2008年10月22日

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