症例報告
膵癌術後再発により脾仮性動脈瘤胃穿破を来した1例
恩田 真二, 岡本 友好, 二川 康郎, 藤岡 秀一, 矢永 勝彦*
東京慈恵会医科大学附属第三病院外科, 東京慈恵会医科大学外科学講座消化器外科*
症例は60歳の男性で,膵頭部癌に対し膵頭十二指腸切除術を施行した.補助化学療法を施行したが膵体部背側に再発腫瘤を認めた.その後,吐血による出血性ショックで緊急入院した.腹部CTにて脾動脈途絶と仮性動脈瘤を認め,胃に穿破していた.再発巣の浸潤と閉塞性膵炎により脾仮性動脈瘤が形成され,胃壁への圧迫により胃穿破したと考えられた.緊急動脈塞栓にて止血し軽快退院した.癌腫再発による脾動脈瘤の胃穿破はまれであり報告した.
索引用語
splenic artery pseudoaneurysm, pseudoaneurysm perforating the stomach, pancreatic carcinoma recurrence
別刷請求先
恩田 真二 〒201-8601 狛江市和泉本町4-11-1 東京慈恵会医科大学附属第三病院外科
受理年月日
2008年12月17日
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