症例報告
腹腔鏡補助下低位前方切除術を施行したCap polyposisの1例
徳永 真和, 池田 聡1), 沖山 二郎2), 檜井 孝夫1), 吉満 政義1), 吉田 誠, 住谷 大輔, 高倉 有二, 岡島 正純1), 大段 秀樹
広島大学大学院創生医科学専攻先進医療開発科学講座外科学, 同 内視鏡外科学講座1), 井野口病院外科2)
症例は60代の男性で,2001年6月より粘血便が出現した.大腸内視鏡検査で直腸を中心に横行結腸にかけて多発性扁平隆起病変を認め,endoscopic mucosal resection(以下,EMR)標本の病理組織像でCap polyposisと診断された.内科的治療が継続されたが症状は増悪し,2004年5月に腹腔鏡補助下直腸低位前方切除術を行った.以後,粘血便など愁訴は改善され患者のquality of life(以下,QOL)は高く保たれている.Cap polyposisは原因不明の疾患で,治療法はいまだ確立されていない.内科的治療抵抗性の難治性Cap polyposis治療法の選択肢の一つとして手術があげられるが,初回手術の有効率は約55%であり,手術適応を十分に検討したうえで行う必要がある.その中で,今回施行した腹腔鏡下手術は開腹手術と比較し低侵襲であり,有用であると考えられた.
索引用語
cap polyposis, surgical treatment
別刷請求先
徳永 真和 〒734-8551 広島市南区霞1-2-3 広島大学大学院医歯薬学総合研究科創生医科学専攻先進医療開発科学講座外科学
受理年月日
2008年12月17日
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