臨床経験
結腸による食道再建時の3D-CT angiographyの意義
雄谷 慎吾, 宮田 完志, 湯浅 典博, 竹内 英司, 後藤 康友, 三宅 秀夫, 長澤 圭一, 大森 健治, 小林 陽一郎
名古屋第一赤十字病院外科
食道切除に際し,胃切除後や胃癌を合併する場合には再建臓器として結腸が用いられることが多い.これまで,結腸による食道再建に際して,再建に用いる結腸の部位・血管茎の決定のために術前の血管造影検査が行われてきた.そのため,Multidetector-row CT(MDCT)を用いた3D-CT angiographyにより結腸の血管解剖,辺縁動脈の吻合が評価可能か検討した.対象は食道切除・結腸再建を予定した3症例.全例で結腸の主幹血管の起始・走行,辺縁動脈の吻合の有無が把握でき,術式立案,superchargeの要否の予想に有用であった.また,術後の再建結腸の血流の評価も可能であった.したがって,結腸による食道再建に際し3D-CT angiographyは簡便かつ低侵襲に,これまでの血管造影検査に換わりうる情報をもたらす.
索引用語
3D angiography, MDCT, esophageal reconstruction
別刷請求先
雄谷 慎吾 〒441-8570 豊橋市青竹町字八間西50番地 豊橋市民病院外科
受理年月日
2008年12月17日
 |
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|