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第42巻 第9号 2009年9月 [目次] [全文 ( PDF 342KB)]
原著

大腸穿孔に対する治療水準の客観的評価法についての提案

間遠 一成, 増田 英樹, 間崎 武郎, 石井 敬基, 青木 信彦, 大亀 浩久, 万本 潤, 吉田 直, 高山 忠利

日本大学消化器外科, 同 乳腺内分泌外科

 はじめに:大腸穿孔患者に対して,術前の重症度に応じた適切医療機関を選択できる指標があれば,効率的な治療が遂行できると考えられる.方法:SOFA score(以下,SS),APACHE-II score(以下,AS),POSSUM scoreの術前評価であるPhysiological score(以下,PS)から,ROC曲線を用いて最適な術前重症度評価法を検討する.また,ロジット回帰分析から逆推定した予測値を用いて,施設ごとの治療水準を比較評価できる客観的方法を提案する.対象:当施設で手術を施行した医原性穿孔を除く47例(男性24例,女性23例,平均65.9歳).転帰は生存40例(85.1%),在院死亡7例(術死5例)であった.成績:転帰との関連は各スコアともP<0.001と有意差を認めた.ROC曲線ではAS,PSとも曲線下面積0.95と同等かつ優れた評価能を有した.SSの曲線下面積は0.90であった.生存の確率を50%として逆推定した予測値はAS 21,PS 43であり,当施設ではこれら以上の値では極めて予後不良であった.考察:ASとPSはいずれも術前重症度評価法として適切と考えられた.施設ごとの治療水準を量る客観的方法として,AS, PSと転帰のROC曲線から算出した予測値は理解しやすい.予測値の設定は,各施設での治療遂行あるいはより優れた治療水準を有する医療機関への転院の是非を検討する判断材料となり,患者の重症度に応じた治療水準を有する医療機関を選択できるようになれば,救命率の向上に寄与できると考えられる.

索引用語
colorectal perforation, severity evaluation, ROC curve, logic regression analysis, predicted value

日消外会誌 42: 1455-1459, 2009

別刷請求先
間遠 一成 〒179-0072 練馬区光が丘2-11-1 日本大学医学部付属練馬光が丘病院

受理年月日
2009年1月28日

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