有限責任中間法人日本消化器外科学会公式サイトへリンク 日本消化器外科学会雑誌 Online Journal
メインナビゲーションを飛ばす
ホームへリンク
最新号へリンク
既刊号へリンク
論文検索へリンク
投稿規定へリンク
編集委員会からへリンク
公式英文誌へリンク
購読のご案内へリンク
閲覧上のご注意へリンク
書誌情報 Japanese Englishページへリンク
第42巻 第10号 2009年10月 [目次] [全文 ( PDF 263KB)]
原著

食道gastrointestinal stromal tumor―食道粘膜下腫瘍13例におけるGISTの比率とその腫瘍核出術後の成績―

西村 光平, 田中 寿明, 田中 優一, 的野 吾, 村田 一貴, 内藤 嘉紀, 白水 和雄, 藤田 博正

久留米大学医学部外科学, 同 病理学

 はじめに:食道粘膜下腫瘍のほとんどは平滑筋腫と考えられてきたが,gastrointestinal stromal tumor(以下,GIST)の診断基準の確立により,食道GIST症例が増加している.方法:1997年から2008年の間に当科で切除した食道粘膜下腫瘍13例を対象とし,免疫染色検査による再診断を行った.また,核出術後の転帰を自験例ならびに報告例から検討した.結果:食道粘膜下腫瘍13例の当初の診断の内訳はGIST 3例(23%),平滑筋腫6例,平滑筋肉腫2例,悪性リンパ腫1例,顆粒細胞腫1例だった.再診断により平滑筋腫2例がGISTと訂正された.その結果,内訳はGIST 5例(38%),平滑筋腫4例,平滑筋肉腫2例,悪性リンパ腫1例,顆粒細胞腫1例となった.GISTのうち核出術が行われたのは4例であり,全例でいまだ再発はない.自験例4例と,食道GISTに核出術または一部が核出となった摘出術の国内外の報告12例を加え,16症例での検討を行った.術後の再発は4例(25%)に認められたが,腫瘍径が4 cm以下のもの,超低リスク・低リスク群での再発はなかった.考察:かつて,平滑筋腫と診断されていたものの中にGISTが少なからず存在し,食道粘膜下腫瘍に占めるGISTの割合は少なくない.また,腫瘍径が小さなものでは腫瘍核出術も許容されるが,小さくとも腫瘍細胞分裂やMIB-1 indexが高い症例では,再発を来すことがあるため厳密なfollow-upが必要である.

索引用語
esophageal, gastrointestinal sromal tumor (GIST), enucleation, incidence, submucosal tomor

日消外会誌 42: 1551-1556, 2009

別刷請求先
西村 光平 〒830-0011 久留米市旭町67 久留米大学医学部外科

受理年月日
2009年3月25日

ダウンロードサイトへリンク PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です
このページのトップへ戻る
メインナビゲーションへ戻る
Copyright © 日本消化器外科学会