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第42巻 第12号 2009年12月 [目次] [全文 ( PDF 326KB)]
原著

食道手術における結腸再建術に対する血管吻合付加の有用性

永野 剛志, 田中 寿明, 田中 優一, 的野 吾, 津福 達二, 西村 光平, 藤田 博正, 白水 和雄, 井上 要二郎

久留米大学外科, 同 形成外科

 はじめに:食道手術における結腸再建術は,従来より高率に発生する縫合不全が問題となっていた.我々はこの克服のため1989年以来血管吻合を付加した結腸再建術を行ってきたので,その治療成績を報告する.対象と方法:1981年から2007年までに当科で施行した結腸再建例86例(食道癌;77例,良性;9例)を対象とし,1988年までの血管吻合を付加しない結腸再建術24例(以下,通常群)と1989年以降の血管吻合を付加した62例(以下,血管吻合群)の2群に分け,その手術成績を比較検討した.結果:主な合併症は通常群,血管吻合群ともに縫合不全で,発生率を比較すると通常群は63%(15例),血管吻合群は23%(14例)と血管吻合群が有意に少なかった(p=0.0003).また,通常群では食道結腸吻合部の縫合不全は13例(54%)に認め,そのうち7例で再手術を要したのに対し,血管吻合群では同部の縫合不全は6例(10%)で,全例保存的に治癒した.手術関連死亡率は通常群が17%(4例),血管吻合群が2%(1例)と血管吻合群が少なかった(p=0.007).また,血管吻合群を動静脈とも吻合した症例(動静脈群)51例,静脈吻合のみの症例(静脈群)11例に分け縫合不全発生率を比較すると,動静脈群が6%(3例),静脈群が27%(3例)と動静脈群が良好な成績だった(p=0.03).考察:血管吻合付加により結腸再建例の治療成績は向上し,その有用性が示された.また,血管吻合法は,動静脈双方の吻合が静脈のみの吻合に比べより有効である可能性が示唆された.

索引用語
vasucular anastomosis, esophageal surgery, colon interposition

日消外会誌 42: 1755-1761, 2009

別刷請求先
永野 剛志 〒830-0011 久留米市旭町67 久留米大学医学部外科学

受理年月日
2009年5月27日

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