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第43巻 第1号 2010年1月 [目次] [全文 ( PDF 497KB)]
原著

大腸癌肝転移切除症例における化学療法による肝障害度の病理組織学的検討

工藤 大輔1), 大橋 大成1)2), 赤坂 治枝1)2), 神 寛之1)2), 小山 基1), 豊木 嘉一1), 村田 暁彦1), 鳴海 俊治1), 鬼島 宏2), 袴田 健一1)

弘前大学医学部消化器・乳腺・甲状腺外科1), 同 病理生命科学2)

 はじめに:近年の大腸癌化学療法の進歩に伴い,多くの肝転移症例で切除術が選択しうるようになりつつある.一方で,化学療法が肝障害を引き起こす例も報告されてきている.そこで,術前に化学療法が行われた大腸癌肝転移切除症例について,病理組織学的な類洞拡張や脂肪肝炎の程度を検討した.方法:2004年1月から2008年12月に行われた大腸癌肝転移切除例48例を対象とし,化学療法の内容と切除正常肝の病理組織学的障害度について検討を行った.結果:類洞拡張スコアは化学療法非施行群で1.17±0.41,5-FU単独群で0.92±0.49,5-FU+イリノテカン群で2±0.82,5-FU+オキサリプラチン群で1.66±0.66であり,5-FU+イリノテカン群と5-FU+オキサリプラチン群で化学療法非施行群,5-FU単独群に比べて有意に類洞拡張スコアが高かった.しかし,術後合併症の発生頻度については有意差を認めなかった.非アルコール性脂肪肝炎スコアについては各群間に有意な差を認めなかった.結語:術前にイリノテカンやオキサリプラチンを含む化学療法が行われた大腸癌肝転移症例では,術後合併症発生頻度は増加しなかったが,病理組織学的に類洞拡張が出現する頻度が高かったので,耐術性の判断を厳密に行い術後合併症発生に留意すべきであると考えられた.

索引用語
colorectal liver metastasis, oxaliplatin, irinotecan, sinusoidal dilation, steatohepatitis

日消外会誌 43: 20-26, 2010

別刷請求先
工藤 大輔 〒036-8562 弘前市在府町5 弘前大学医学部消化器・乳腺・甲状腺外科

受理年月日
2009年5月27日

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