根治的化学放射線療法後の頸部食道癌再発に対してPhotodynamic therapyと頸部リンパ節郭清を施行した1例

川崎　誠一, 佐藤　弘, 坪佐　恭宏, 小野　裕之^1）, 寺島　雅典^2）

静岡県立静岡がんセンター食道外科, 同　内視鏡科^1）, 同　胃外科^2）

　症例は72歳の女性で，2005年6月頸部食道癌，cT2N0M0，stage IIAと診断され，根治的化学放射線療法（chemoradiotherapy；以下，CRT）を施行された．完全奏功状態（complete response；以下，CR）を維持していたが，約10か月後に再発した．上部消化管内視鏡検査で頸部食道に原発巣の再燃を認め，さらにCTで右頸部リンパ節転移を診断した．Endoscopic mucosal resection（以下，EMR）とphotodynamic therapy（以下，PDT）で食道病変の局所治療を行い，47日後に右頸部リンパ節郭清を行った．術後2日目に頸部食道穿孔を認め，保存的加療行うも改善なく，大胸筋皮弁による瘻孔閉鎖術を行い閉鎖した．本邦では頸部食道癌再発に対してPDTと頸部郭清を施行し，食道が穿孔したとする報告はなく，文献的考察を加え報告する．

索引用語
photodynamic therapy, lymph node dissection, cervical esophageal cancer

別刷請求先
川崎　誠一　〒411-8777　駿東郡長泉町下長窪1007　静岡県立静岡がんセンター食道外科

受理年月日
2009年5月27日

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