症例報告
機能的端々吻合後に吻合部再発を来した盲腸SM癌の1例
里見 大介, 森嶋 友一, 田澤 洋一, 小林 純, 豊田 康義, 吉田 行男, 高見 洋司, 山本 海介, 守 正浩, 鈴木 一郎
独立行政法人国立病院機構千葉医療センター外科
症例は78歳の男性で盲腸SM癌に対し腹腔鏡補助下回盲部切除術+D2郭清を施行した.吻合は自動縫合器を使用し,機能的端々吻合で行った.病理組織学的診断は高分化腺癌sm3,ly0,v1,pN1,pPM0,pDM0,Stage IIIaで,根治度Aであった.術後外来通院にて補助化学療法を行った.癌術後1年目の大腸内視鏡検査にて吻合部のstaple line上に2型腫瘍を認め,吻合部再発の診断となり,吻合部を含めた結腸切除術を施行した.結腸SM癌術後の吻合部再発の報告例は少なく極めてまれではあるが,SM癌においてもimplantationによる再発予防のために術中操作による腸管内の癌細胞落下に対する対策や吻合前の腸管内洗浄などの対策が必要であると思われた.また,大腸内視鏡検査などによる術後のフォローアップも不可欠であると思われた.
索引用語
colon cancer, anastomotic recurrence, functional end-to-end anastomosis
別刷請求先
里見 大介 〒260-8606 千葉市中央区椿森4-1-2 国立病院機構千葉医療センター外科
受理年月日
2009年7月22日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|