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第43巻 第4号 2010年4月 [目次] [全文 ( PDF 669KB)]
原著

膵頭十二指腸切除術後の膵液瘻に対するドレーン排液中のアミラーゼ濃度と排液量に関する検討

信岡 大輔, 後藤田 直人, 小西 大, 中郡 聡夫, 高橋 進一郎, 木下 平

国立がんセンター東病院上腹部外科

 はじめに:近年,膵頭十二指腸切除(pancreaticoduodenectomy;以下,PD)術後のドレーン早期抜去の有用性が示されたが,いまだ一般的ではない.そこで,我々は最適なドレーン抜去時期につき検討した.対象と方法:73例のPD症例の経過を解析し,膵液瘻(pancreatic fistula;以下,PF)とドレーン排液データの関係を検討した.PFの診断にはInternational Study Group on Pancreatic Fistulaの基準を用い,Grade B以上をPFとした.結果:全73例中20例(27%),soft pancreas 37例中18例(49%),hard pancreas 36例中2例(6%)にPFを認めた.Soft pancreasにおいてドレーン排液アミラーゼ濃度(drainage fluid amylase;以下,D-Amy値)とドレーン排液量の積を比較すると,術後第1病日(postoperative day;以下,POD1)およびPOD7ではPF(+)群が高値を示したが,POD3およびPOD5では両群間に有意差を認めなかった.考察:“真のアミラーゼ漏出量”の推移を検討したところ,術後早期に成立していた膵空腸吻合がPOD7前後で破綻しPFを起こす可能性が示唆された.よって,soft pancreas症例の中には早期抜去には注意を要する症例があると考えられた.

索引用語
pancreaticoduodenectomy, pancreatic fistula, amylase, drainage, postoperative complication

日消外会誌 43: 351-358, 2010

別刷請求先
信岡 大輔 〒277-8577 柏市柏の葉6-5-1 国立がんセンター東病院上腹部外科

受理年月日
2009年9月16日

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