症例報告
Alpha-Fetoprotein産生胆嚢管癌術後胆嚢床局所再発の1切除例
中島 隆善, 塚本 忠司, 濱辺 豊, 豊川 晃弘, 田中 賢一, 金光 聖哲, 山下 博成, 権 英寿, 石田 武
淀川キリスト教病院外科
胆嚢管癌根治術後の局所再発に対し,再切除を施行しえた症例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.症例は81歳の男性で,2005年8月,胆嚢管癌に対し,肝外胆管切除,胆嚢摘出術,D2リンパ節郭清が施行された.術後診断はC-Bm,circ,乳頭膨張型,3.0×2.5 cm,papillary adenocarcinoma>>tubular adenocarcinoma,int,INFβ,ly0,v0,pn0,pT2(ss),pN0,H0,P0,M(-),f Stage II,f Cur Aであった.術後,外来にて経過観察中,2007年3月にCA19-9とAlpha-Fetoproteinの上昇を認め,肝ダイナミックCTにて胆嚢床に5 cm大の腫瘤を認めた.胆嚢管癌の局所再発のほか,HCC/CCC混合性腫瘍やHCCの可能性も否定できず,腫瘤は単発であり,局所に限局していたことから,肝S4a,S5亜区域切除および挙上空腸壁部分切除を行った.病理組織学的検査にて胆嚢管癌の局所再発と診断された.また,免疫染色検査にてAFP産生胆嚢管癌と診断された.再切除施行後2年が経過した現在,無再発生存中である.
索引用語
cystic duct cancer, local recurrence, AFP
別刷請求先
中島 隆善 〒533-0032 大阪市東淀川区淡路2-9-26 淀川キリスト教病院外科
受理年月日
2009年10月28日
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