臨床経験
腹腔鏡下直腸前方切除後の縫合不全に対する経肛門ドレナージ
政野 裕紀, 長谷川 傑, 内藤 雅人, 古山 裕章, 吉村 玄浩, 野村 明成*, 川村 純一郎*, 長山 聡*, 坂井 義治*
天理よろづ相談所病院腹部一般外科, 京都大学医学部附属病院外科*
腹腔鏡下低位前方切除後に縫合不全による骨盤内膿瘍を発症し,それに対して経肛門的にドレナージを行った8症例を経験したので報告する.注腸造影検査にて縫合不全部を確認し,同部位を示指にて拡張することにより膿瘍腔の内瘻化を図った.8症例中7症例で縫合不全を比較的短期間で治癒しえたが,1症例では回腸ストマ造設が必要となった.本法は,全身状態が良好であり,膿瘍腔が骨盤内に限局し腹腔内への炎症の波及がない症例では,縫合不全の治療のオプションの一つとなりうるものと考える.
索引用語
anastomotic failure or leakage, therapy, laparoscopic anterior resection
別刷請求先
政野 裕紀 〒632-8552 天理市三島町200 天理よろづ相談所病院腹部一般外科
受理年月日
2009年11月18日
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