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第43巻 第6号 2010年6月 [目次] [全文 ( PDF 741KB)]
症例報告

食道管腔内に発育した有茎性平滑筋肉腫の1例

古賀 聡, 力丸 竜也, 山口 博志, 濱津 隆之, 山懸 基維, 園田 孝志

済生会唐津病院外科

 食道に発生する平滑筋肉腫は比較的まれである.そのなかでも粘膜筋板から発生した有茎性の平滑筋肉腫は極めてまれである.今回,食道内腔を占居する巨大な有茎性平滑筋肉腫を経験したので報告する.74歳の男性で,徐々に増悪する嚥下困難感を主訴に受診した.上部内視鏡検査にて胸部下部食道を閉塞するような10 cm大の巨大腫瘍を認め,生検の結果,食道発生の平滑筋肉腫と診断された.食道亜全摘および胃管による胸腔内再建を施行した.組織診断の結果,深達度粘膜下層までの平滑筋肉腫であった.食道管腔内に突出した有茎性腫瘍は粘膜筋板から発生した場合に起こりうる.報告例は本症例を含め5例と非常にまれである.この巨大な有茎性平滑筋肉腫はリンパ節転移や脳転移を伴う症例があり,術後十分な経過観察が望まれる.

索引用語
pedunculated leiomyosarcoma, esophagus, mascularis mucosae

日消外会誌 43: 617-621, 2010

別刷請求先
古賀  聡 〒847-0852 唐津市元旗町817 済生会唐津病院外科

受理年月日
2009年10月28日

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