症例報告
肛門周囲にPagetoid spreadを呈した肛門管低分化腺癌の1例
生澤 史江, 三浦 康, 柴田 近, 小川 仁, 石田 和之*, 安藤 敏典, 小山 淳, 福島 浩平, 佐々木 巖
東北大学病院胃腸外科, 同 病理部*
症例は53歳男性で,肛門周囲の掻痒感と発疹を主訴に近医を受診し,皮膚生検でPaget病の診断となり当院紹介となった.肛門周囲皮膚および肛門管腫瘍の生検を施行し,肛門管癌のPagetoid spreadの診断にて腹会陰式直腸切断術を施行した.病理組織学的診断では肛門管より印環細胞を伴った低分化腺癌細胞が肛門皮膚上皮下へ進展し,免疫染色検査でCEA(+),CK20(+),CK7(-),GCDFP-15(-)で,直腸肛門管癌のPagetoid spreadと診断した.直腸肛門管癌のPagetoid spreadの本邦報告例は本症例を含め42例であり,60%に肛門皮膚病変を認めていることから,早期発見には視診と皮膚生検の実施が肝要である.
索引用語
pagetoid spread, anal canal cancer
別刷請求先
生澤 史江 〒980-8574 仙台市青葉区星陵町1-1 東北大学病院胃腸外科
受理年月日
2009年9月16日
 |
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|