十二指腸乳頭部原発絨毛癌の1切除例

倉橋　康典, 白潟　義晴, 平田　耕司, 篠原　尚, 糸井　和美^1）, 牧　淳彦, 水野　惠文, 三村　六郎^2）

兵庫県立尼崎病院消化器外科, 同　呼吸器外科^1）, 同　病理部^2）

　症例は80歳の女性で，歩行障害で入院中に肝胆道系酵素の上昇・著明な胆管拡張・胆管炎症状を認め精査を行った．上部消化管内視鏡検査で十二指腸乳頭部癌が見つかり，減黄を行った後，膵頭十二指腸切除術を施行した．病理組織学的検査で，辺縁は高～中分化管状腺癌の像であるが，浸潤部は栄養細胞類似の大型細胞が目立つ絨毛癌の像が優勢で，免疫染色検査でhCG陽性を示し，十二指腸乳頭部原発の絨毛癌と診断した．検索しうるかぎりでは，十二指腸乳頭部原発の絨毛癌の報告は見当たらない．若干の文献的考察を加え報告した．

索引用語
chiriocarcinoma, papilla of Vater (major duodenal papilla), duodenum

別刷請求先
倉橋　康典　〒660-0828　尼崎市東大物町1-1-1　兵庫県立尼崎病院消化器外科

受理年月日
2010年3月24日

PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です