一般社団法人日本消化器外科学会

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消化器外科医が扱う主な疾患とその治療法

肝臓について

 肝臓は赤褐色調,腹腔内で最大の臓器です(1,000から1,500g).解剖学的には,肝鎌状間膜を境に左葉・右葉に分かれます.実際の臨床では,Cantlie(カントリー)線(胆嚢底と肝背面の下大静脈を結ぶ線)を境に左葉と右葉の二葉に分けます.左葉と右葉はさらに区域,亜区域というものに分かれます.外側区域・内側区域,および前区域・後区域,さらに,外側区域,前区域,後区域を上下に分け,それらと内側区域,尾状葉を合わせ8つの亜区域(S1~8)に分かれます.肝臓に注ぐ血管は門脈と肝動脈で,肝臓はこれらの二つの血管の二重支配を受けます.
 肝臓は生体の化学工場といわれています.糖質,蛋白質,脂質などの代謝機能や種々の物質の解毒・排泄機能を行います.また,胆汁という消化液の合成を行ったり免疫系にも深く関係しています.

肝臓の病気

肝細胞がん

 肝臓の外科的疾患としては肝細胞がんがあげられます.肝細胞がんはB型やC型の肝炎ウイルスが原因となることが大部分で,慢性肝疾患,特に肝硬変を合併していることが多いです.そのため,肝細胞がんに対する肝切除術は,どの程度の肝機能か(肝予備能)を考えて,術式が決められます.たとえば,腫瘍が大きい,または数が多い場合は,広範囲な切除が必要となりますが,この切除許容範囲は肝予備能により決定され,肝機能が不良の場合には切除範囲が制限されます.