日本消化器外科学会

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理事長挨拶 ―会員のみなさまへ―

理事長 瀬戸 泰之(東京大学医学部大学院医学系研究科消化管外科学)

 第4代目の理事長を拝命し,大変光栄に存じると同時に身の引き締まる思いで一杯です.これから会員の皆様のご支援,ご指導を頂きながら精一杯の努力をもって,学会の発展に寄与する所存です.一般社団法人日本消化器外科学会は1968年に発足し,間もなく50年の節目を迎える伝統ある学会で,現在2万人余りの会員が所属しています.この間,先人の想像を超えるご尽力により,世に大きく貢献し,また確実に時代を担う消化器外科医を育成しうる学会に発展しているものと思います.あらためて諸先輩に心より感謝し,またしっかりその伝統を引き継いでいく責任があると考えています.

 本学会の目的は「消化器外科学の進歩と普及に貢献し,もって医療に関する学術文化の発展と国民の福祉と医療の発展に寄与するとともに,社員および会員の研究,教育,診療の向上を図る」こととされています.おそらく発足当時とは,医療体制,消化器外科医を取り巻く環境など大きく異なるものと思いますが,この目的は揺るぐことはありませんし,これまでもこの目的を達成するために多くの努力が払われてきました.また,森正樹前理事長が,その挨拶の中で指摘された課題は,今後も引き続き取り組んでいく必要があります.1)待遇,2)労働環境,3)National Clinical Database (NCD),4)専門医制度,5)女性医師,6)国際化などであります.その中では,専門医制度の確立が喫緊の重要課題と考えています.消化器外科専門医は外科専門医の上にのる二階建て(subspeciality)になることになっていますし,構造的には現状と大きな差異はないものになるのではと感じていますが,その運用によっては大きな弊害が生まれる可能性は残されています.「すべての国民の福祉と医療の発展,またすべての会員のため」になるような,よりよい制度目指して本学会からも積極的に発信していきたいと考えています.新規入会の減少も大きな問題であり,森前理事長指導の下,JESUS(Japanese skill education for young gastroenterological surgeons)のような新しい取り組みも始まっています.時間は要するかもしれませんが,その成果に期待しています.外科医減少にはさまざまな要因が関係しているものと思いますが,この解決なくして我が国医療の未来は語れません.そのためにも,学会として,待遇,労働環境,また女性消化器外科医の課題に取り組んでいきたいと思います.国際化については,学術集会以外にも,本学会自体の英文誌創設の準備が始まります.おおむね他学会も公式英文誌を発刊しており,本学会の独自性を示すためにも必要なものと考えます.ただ,「日本消化器外科学会雑誌」は,科学系和雑誌の中で最高峰に位置しており,これまでの歴史,先人の尽力を鑑みても,また若手の論文登竜門としての意義も少なくなく,現時点では現在のスタイルを維持していくことになっています.今後,英文誌も含めて,そのあり方を検討していく必要があります.また,若手医師の国際化のためには,海外学会への派遣などあらたな取り組みも必要になるのではと考えています.NCDは消化器外科学会が中心的役割を担っており,現場の方々の日々の手間がしっかり結実するシステムに発展しているものと思います.これからの新しい専門医制度でも活用されるものと思います.また,big data解析からさまざまな臨床研究が相次いで報告されていますし,現場に還元できるシステムも着実に整備されつつあります.今後,我が国の医療発展のためにも活用されるように,さらなる進化を遂げることを期待しています.

 最後になりますが,これからの学会の在り方として,昨今の社会状況を考えると,会員(消化器外科医)向けのみならず,いわゆる世の中一般とこれまで以上に関わっていくことが必要になると思いますし,それが本学会のプレゼンスを示すためにも必要と考えます.今後も会員の皆様のご支援,ご協力,ご指導をよろしくお願い申し上げます.ご意見などございましたら,ぜひお寄せください.

(2015年9月)