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ご案内

がん治療認定医機構「がん治療認定医」への対応

日本消化器外科学会
会員各位

日本消化器外科学会 理事長 北野正剛
専門医制度委員会 委員長 宮川秀一
資格認定委員会 委員長 塩崎 均
施設認定委員会 委員長 山口明夫


日本消化器外科学会員の皆様には,国民の健康を守る立場から,消化器がんなどの関連疾患の診療に日夜ご奮闘されていることと拝察いたします.
さて,ご存知のように日本がん治療認定医機構の発足を受け,消化器がん治療において重要な役割を担っている本学会の専門医(消化器外科専門医)を「がん治療認定医」として登録できるように「機構」に申請しましたが,8月に現時点では承認困難との回答が参りました.その理由は,【1】本学会の修練施設認定基準に,緩和医療,がん登録などの項目はなく,「機構」の「がん治療研修施設」として求められる基準を満たしていない,【2】学会や論文発表業績が「機構」が要求するがん診療に関する業績を担保していない,【3】研修プログラム,教育セミナー,専門医試験の中に,がんの生物学,がんの発生,疫学,スクリーニング,発がん予防などの基礎的科学知識や放射線療法,薬物療法,緩和医療,精神腫瘍学などの治療基盤知識の要求度に関して,その一部が欠落している,ことなどでした.そして消化器外科専門医を「機構」の「がん治療認定医」として認定するために提示された条件は,(1) 消化器外科専門医研修プログラムに【1】~【3】の項目を取り入れて次年度以降に再度申請,ないし(2) 消化器外科専門医研修過程に「機構」の認定制度を組み込ことの2点です.

その後,理事会で討議を重ねてきましたが,本学会から見た「機構」の「がん治療認定医制度」について以下のような問題点が指摘されました.

  1. 「がん治療認定医」という呼称:「がん治療認定医」制度は幅広く標準的な治療に関する知識を持った癌の治療医を養成する目的で設立された制度であることは理解できる.しかしながら「がん治療認定医」という言葉が一人歩きして,これを取得しないと消化器外科医はがん治療の担い手ではないとの誤ったメッセージが国民に送られ,治療現場に混乱を生じることが危ぐされる.
  2. がん治療における外科治療の位置づけ:現時点では多くのがんの治療の主体は外科治療である.しかしながら「機構」が目指す認定医制度では,放射線療法,薬物療法,緩和医療を専門としている医師の認定を重視しており,消化器がん診療における外科治療の位置付けが明確にされていない.がん治療認定医規則第17条の適応のためのチェックシートの76項目のうち,外科治療関連項目は6項目しかないのはその表れと考える.
  3. 消化器がんにおける薬物療法や緩和医療の担い手:多くの施設では消化器外科医が外科治療のみならず薬物療法や緩和医療など消化器がん患者の全課程の診療を担っているのが現状であり,消化器外科医を抜きにしては,現在の消化器がんの治療は成立しえない.また,全がん患者の半数以上を占める消化器がん患者の薬物療法や緩和医療などの手術以外の領域を誰が担うのかの見通しに疑問が残る.
  4. 研修施設:「機構」の研修施設として認定されるのは,全国がんセンター協議会加盟病院,特定機能病院,地域がん診療連携病院が中心である.本学会認定研修施設の過半数が認定されないと推定される.一方で,「機構」が認める研修施設でも緩和医療体制や院内がん登録が必ずしも整備されていない状況では,バランスを欠くものであると言わざるをえない.
  5. がん治療認定医の申請要件:今回の「機構」のがん治療認定医試験の申請要件では「機構」が認める研修施設に2年間在籍しており試験に合格したものには認定医を賦与する,とされている.その履歴がないものは5年以内に2年間の「機構」の研修施設での研修が求められている.後者については認定医資格取得のために研修先の移動が求められ,医師の偏在を一層助長する.


そこで理事会としては,がん診療に携わる本学会会員は,基本的には「機構」の「がん治療認定医」取得が望ましいと考えています.しかし,本学会会員が日常診療において安心して,消化器がん治療に専念できる環境を整備すると同時に,国民に正しく現状を理解してもらうためにも,以下のような複数の方策案を視野に入れ,検討しているところです.

1) 「機構」が提起している条件(1)ないし,(2)について,専門医制度に取り込み,消化器外科専門医であれば,「がん治療認定医」資格も兼ねることができるように早急にさらなる交渉を行う.
2)一方で,「機構」との連携の一環として,かつ消化器がんの外科治療の担い手は本学会会員であることを明らかにするため,一定の要件で本学会独自の「消化器がん外科治療認定医」の創設を図る.

(試案)
【1】消化器外科専門医:手術,化学療法,放射線療法,緩和療法,の経験症例の報告.
【2】本学会認定医:「機構」のセミナー受講,及び,上記経験症例の報告.
【3】卒後5年以上の会員:「機構」のセミナー受講,及び,本学会が行う認定医試験.

以上,現状をご報告するとともに,会員の皆様からのご意見を頂戴したいと思います.

(平成19年9月)

 

 ご意見に関しては以下の方法でお寄せください.

 

  1. メッセージBOXを利用
  2. ファクシミリにて
  3. 郵便にて

送付先

日本消化器外科学会事務局
〒103-0025
東京都中央区日本橋茅場町2-9-8 友泉茅場町ビル7階
TEL:03-5641-3500 FAX:03-5641-3588