原著
インスリノーマの臨床と病理
斎藤 洋一, 寒沢 貢治, 宮川 菊雄, 佐藤 寿雄, 佐藤 秀樹1)
東北大学第1外科, 青森県五戸町立病院外科1)
インスリノーマは特有な臨床症状を呈するため諸施設から多くの報告があるが,一施設における多数例の経験がないためか臨床像,組織像を系統的に観察したものは少ない.今回東北大学第1外科において経験したインスリノーマ13例,ラ島過形成2例,非活動性ラ島腫瘍6例を中心として各種生化学的検査,組織像を対比しつつ,一部では組織計測的処理を行いホルモン産生腫瘍における術前後の動態の一端について言及した.また本腫瘍を取扱って行く際問題となる,(1)腫瘍発見困難な場合,(2)hyperplasia,(3)インスリン自己免疫症候群,(4)悪性化の問題などについても症例を中心として考察を加えた.
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