原著
食道胃境界領域癌の外科治療―とくに胸腔内リンパ節転移について―
豊田 澄男, 太田 博俊, 大橋 一郎, 高木 国夫, 梶谷 鐶
癌研外科
癌研外科において1947年より1972年までに切除された食道浸潤した胃癌および境界部癌351例を,主として胸腔内リンパ節転移について検討した.胸腔内リンパ節郭清は開胸例214例中121例に行われ,その転移率は28.1%,軽移度17.1%であった.口側壁内転移のある10例を除き,食道浸潤2 cm以下の群45例と,2 cmを越す群66例とに分けると,胸腔内リンパ節転移率は前者では4.4%であったが,後者では34.8%の高値であった.そのことにより胃癌および境界部癌で食道浸潤距離が2 cmを越す例では,胸腔内リンパ節廓清および,断端癌遺残防止の目的で,開胸すべきであるとの結論を得た.
索引用語
食道胃境界領域癌, 胸腔内リンパ節転移率
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