原著
胃癌の生長に関する臨床的観察―X線写真による胃癌の生長解析―
多淵 芳樹, 井上 和則, 南 正樹, 朴 採俊, 加藤 道男, 村山 良雄, 滝口 安彦, 川口 勝徳, 光野 孝雄1)
神戸大学医学部第1外科学教室, 国立療養所神戸病院1)
胃癌の逆追跡症例12例について,X線的な胃癌の生長解析を試みた.胃癌の径生長曲線と壁深達度の分析から,m癌からse癌に至る胃癌の生長過程に,早期癌および早期癌を思わせる病巣にみられ徐々に癌径を増す早期癌期,癌径をほとんど増さず主として深部浸潤を示す早期癌を思わせる病巣から進行癌に移行する早期・進行癌移行期および進行癌にみられる急速に癌径を増す進行癌期の性質の異った3時期の存在が観察された.これらの3生長期における平均癌径・面積生長速度および平均癌径倍加時間を測定し,それぞれの測定値を従来の報告例と比較して,m癌からse癌に至る胃癌の生長過程について考察を加えた.
索引用語
胃癌, 生長速度, 壁深達速度, 径倍加時間, 生長期分類
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