原著
Cholecystokinin,Secretinと十二指腸内の脂肪の生物学的作用に関する検討―とくにEnterogastroneとの関連において―
山岸 健男
東京大学第1外科
胃瘻と膵瘻を作製したイヌを用いて,20%cholecystokinin(CCK),Pure Secretinおよび十二指腸内のオレイン酸の示す膵重炭酸分泌・蛋白分泌・胃酸分泌・胃排出抑制作用を比較検討したが,十二指腸内の脂肪の示すこれらの生物学的作用はいずれもCCKと小量のsecretinの共働作用によるものとして説明することができた.一方,これらのイヌにおいて,十二指腸内にオレイン酸を注入するとpentagastrin刺激胃酸分泌反応は有意に抑制されたが,histamine dihydrochloride刺激胃酸分泌反応は全く抑制されなかった.これらの結果は,十二指腸内の脂肪によるenterogastrone様の作用の発現にCCKとsecretinが関与している可能性を強く示唆するものであった.
索引用語
20%pure cholecystokinin, pure secretin, オレイン酸, enterogastrone
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