原著
肝予備能に及ぼす手術侵襲の影響―ICG Rmax一日測定法の実際と安全性について―
吉川 澄, 池田 義和, 東島 哲也, 岡田 正, 中尾 量保, 川島 康生, 竹谷 弘1)
大阪大学第1外科, 大阪厚生年金病院外科1)
腹部手術症例64例を対象にICG Rmax一日測定法について述べた.また,この方法を用い肝予備能の指標としてのICG Rmaxが手術侵襲により,どの様な変動を示すかを一般腹部手術症例として,胃癌,胆石症例など12例,また,障害肝症例として肝硬変による食道静脈瘤症例10例を中心に検討を行った.ICG Rmaxの変動は,疾患,術式などで差がみられ,術前値より術後の肝予備能の低下や回復の程度を予測でき,手術適応の指標となり得ると思われた.また,ICG反復負荷時の肝障害や副作用の発生の有無について検討したが,著変を認めた症例はなく,安全に行える検査法であると考える.
索引用語
肝予備能, 手術侵襲, ICG Rmax一日測定法
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