原著
高カロリー輸液後の肝の病理組織学的検討―剖検例よりみた検討―
竹内 勤, 岸 清志, 竹重 元寛, 日野原 徹, 岩井 宣健, 西村 興亜, 古賀 成昌, 吉田 恭弘1)
鳥取大学第1外科(主任:古賀成昌教授), 同第1病理1)
高カロリー輸液(TPN)施行剖検例15例に病理組織学的検索を行い,肝に多彩な変化をみた.すなわち,肝の脂肪変性,肝内胆汁うっ滞,細胞質の混濁腫脹,空胞変性,核の空胞化などがみられたが,これらの変化はTPN短期(30日以内)施行例に比べ,長期(30日以上)施行例に高率にみられ,その程度も高度であった.TPN施行中の肝機能検査では,高ビリルビン血症が7例にみられ,またtransaminaseの上昇した5例では組織学的にも脂肪変性などが高率にみられた.
索引用語
高カロリー輸液, 肝障害, 脂肪肝, 肝汁うっ滞, 剖検肝
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