原著
潰瘍性大腸炎における小腸機能障害―とくに手術前後における胆汁酸,腸内細菌,脂肪吸収能の変動について―
福島 恒男, 石男 直樹, 諏訪 寛, 松田 好雄, 竹村 浩, 土屋 周二
横浜市立大学第2外科
潰瘍性大腸炎11症例および本症の手術後16症例の小腸機能を検索した.本症の十二指腸液中の細菌は10例中7例(70%)に検出され,pseudomonasが多かった.手術後には7例中4例(57.1%)に検出された.本症の胆汁中の遊離型胆汁酸は全例に検出されたが,手術後には8例中6例(75%)に検出された.抱合胆汁酸G/T比は本症および本症の手術後で,対照群と有意差を認めなかった.胆汁酸分画では両群でdeoxychol酸が変明に減少していた.脂肪吸収障害は本症の7例中2例(28.5%)にみられ,手術後は9例中5例(55.5%)にみられた.VB12吸収障害は本症の4例中2例(50%)にみられ,手術後には6例中1例(16.7%)にみられた.
索引用語
潰瘍性大腸炎, 腸内細菌, 胆汁酸, 脂肪吸収能, VB12吸収能
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