原著
術後胃十二指腸大量出血の臨床像と外科的治療に関する考察
佐藤 源, 福田 和馬, 荻野 健次, 小松原 正吉, 曽田 益弘, 内田 発三, 田中 聰, 寺本 滋
岡山大学第2外科
上部消化管手術を除く術後胃十二指腸大量出血の15手術症例を経験したが,原疾患は血管と消化器疾患が大半を占め,発生頻度は0.5%である.出血は73%が原疾患手術後2週間以内に起こり,概ね重篤なほどより早期に出血している.症例は出血性胃炎2,胃潰瘍6,十二指腸潰瘍7からなり,多発性病巣が多い.広範囲胃切除術による治療成績は生存率67%,死亡率33%,再出血1例であり,術前合併症を有するものの成績が不良である.胃潰瘍症例は全例救命しているが,他の病変の成績がわるい.待期々間別の成績は3日以内が75%で最も良好である.治療にさいしては合併症の存否を斟酌して,早期に手術適応の可否を決断すべきである.
索引用語
術後胃十二指腸大量出血, ストレス潰瘍, 上部消化管大量出血, 緊急手術適応
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