原著
悪性腫瘍による高度閉塞性黄疽に対する減黄術の効果について
鬼束 惇義, 林 勝知, 加納 宜康, 白井 直樹, 沢村 俊比呂, 梅本 琢也, 飯田 辰美, 乾 博史, 後藤 明彦
岐阜大学第1外科
悪性腫瘍による高度閉塞性黄疸に対して減黄術を施行した82例について,その減黄効果に及ぼす因子について検討した.減黄術後の血清ビリルビン値はy=ax+bよりy=aebxにより近く,減黄効果を示す基準として減黄率b値を用いた.疾患,術式,黄疸持続期間,胆汁感染とb値は相関を示さないが,胆管癌は膵頭部癌に比し減黄不良例が多い.胆汁排泄量が200 ml以下の症例は減黄不良の可能性が強い.また1日の総ビリルビン排泄量はb値と相関々係を示し,胆中中総ビリルビン量の測定により黄疸の引き具合いを予測しうる.1日の総ビリルビン量が150 mg以下の症例は減黄不良の可能性が強い.
索引用語
閉塞性黄疸, 減黄術, 減黄率, 総ビリルビン排泄量
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