宿題報告
脈管支配からみた消化管癌の手術
丸山 雄二
東京大学第2外科
104例に施行された腹部血管撮影によって,腹腔動脈,上腸間膜動脈の主要分枝の変異,右胃動脈の起始部の変異,左胃大網動脈起始部の造影性,左胃静脈の走行と分枝の変異,下腸間膜静脈の変異などを検討した.胃癌11例について手術時に左胃静脈の走行を観察した.腹腔動脈の分枝の変異8型,右胃動脈起始部の変異は9型が認められた.左胃大網動脈の太いものは少なく,中結腸動脈と右結腸動脈の共通幹が多かった.左胃静脈は脾動脈の腹側から脾静脈に入るものが多く,脾静脈への流入と,門脈への流入は同頻度であった.以上の結果をもとに,支配血管の根部における切離という癌の手術の原則の点で,問題となる変異について検討を加えた.
索引用語
胃癌手術, 腹腔動脈, 上腸間膜動脈, 血管走行異常
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