原著
コレステロール系胆石形成における食餌性因子と腸管内細菌との関連性について―とくに無菌動物を使用した実験的研究―
中尾 充
日本医科大学第1外科(主任:代田明郎教授)
cholesterol系胆石の形成に及ぼす腸内細菌と食餌性因子との関連を検討するために,無菌及び普通マウス,計182例に,1% cholesterol+0.5% cholic acid食(1%群),0.5% cholesterol+0.25% cholic acid食(0.5%群),0.1% cholesterol+0.05 cholic acid食(0.1%群)を投与し4,8,24週目に胆石形成率,肝・胆嚢・血清cholesterol,肝機能,肝組織学的変化を調べた.胆石形成率は,無菌マウス1%,0.5%群では4週目100%であり,0.1%群では24週目27%であった.普通マウス1%,0.5%群では,4週目に67%,36%,24週目に100%,70%であり,0.1%群では24週に至っても胆石形成は認めなかった.以上,cholesterol系胆石の形成には,腸内細菌とともに食餌性因子もまた強く関与する事実の一端を明らかにし得た.
索引用語
cholesterol系胆石, 無菌動物, 胆石食, 胆石形成率, 腸管内細菌
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