原著
胆嚢癌の手術成績
菅野 千治, 岡田 恒良, 後藤 芳則, 平田 善久, 小野寺 健一, 斉藤 和好, 森 昌造
岩手医科大学第1外科
われわれは過去23年間に経験した胆嚢癌切除症例を胆道癌取扱い規約に沿ってretrospectiveに分類検討したので若干の文献的考察を加えて報告する.胆嚢癌手術例は34例で,切除例は18例,切除率52.9%であった.治癒切除例は7例で,治癒切除率は対切除患者の38.9%であった.Stage別ではI 5例,II 3例,III 5例,IV 5例で,stage Iの1~10年生存率は100%と良好であった.Stage IIの1,3年生存率は66.7%,5年生存率は50%であった.Stage IIIには3年生存はなく,Stage IVになると1年生存もみられなかった.奨膜面浸潤度および壁深達度と予後の間には密接な関連がみられ,胆嚢癌の進展形式を知り,症例に応じた適切な手術術式の選択が重要と思われた.
索引用語
胆嚢癌, 胆嚢癌の術後成積, 胆嚢癌の手術術式, 胆嚢癌の進展形式
日消外会誌 15: 1449-1453, 1982
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