原著
経十二指腸乳頭括約筋形成術後における吻合口の内視鏡的観察
鈴木 英登士
弘前大学医学部第2外科学教室(指導:小野慶一教授, 大内清太名誉教授)
経十二指腸乳頭括約筋形成術後の括約筋機能廃絶の効果,ならびに吻合口の開存状態について内視鏡的に検索した.オリンパス光学製JF-B2,フランス製カメラBealieu 16Bを用い,内視鏡下内測定には米国ミラー社製NO.4 F(catheter pressure transducer)を使用した.41例中完全開口34例,不完全開口7例であった.完全開口の吻合口径はX線上平均8.5 mmと十分に大きく,また16 mmシネフィルム分析の結果,括約筋機能は完全に廃絶されていた.そして内圧測定により,胆管内圧は十二指腸内圧を鋭敏に感受し,これに同調する傾向がみとめられた.形成術後の結石再発は皆無であり,本法はその適応を選びさらに完全に遂行されるならば胆道ドレナージ法として,極めて有効かつ安全な術式と思われる.
索引用語
経十二指腸乳頭括約筋形成術, 内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP), 内視鏡下胆管, 十二指腸内圧測定
日消外会誌 15: 1454-1464, 1982
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