原著
胃癌における他臓器合併切除例の検討―非合併切除例との比較―
川浦 幸光, 森 喜裕, 平野 誠, 羽柴 厚, 村田 修一, 岩 喬
金沢大学第1外科
過去10年間に取り扱った胃癌509例のうち進行胃癌373例を選び,このうち他臓器合併切除を行った113例をA群,非合併切除260例をB群とした.A群において,胃癌占居部位,組織型,脈管侵襲,リンパ節転移と合併切除臓器との関係を述べ,AB群の術後合併症,予後の比較において他臓器合併切除の意義を論じた.上記の検討の結果次の結論を得た.(1)他臓器合併切除率は30.4%であった.(2)A群ではBorr.3型,B群では2型が最も多かった.(3)他臓器合併切除をよぎなくしている因子はリンパ管侵襲,リンパ節転移と思われた.(3)術後合併症はAB群で差はなかった.(4)A群で3生率20.3%,5生率15.6%であり,進行度がstage III,IVであることを考えると合併切除の意義は大きいと考える.
索引用語
進行胃癌, 他臓器合併切除, 左上腹内臓全摘術
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