原著
胃癌術前CEA値の臨床病理学的検討―特に病理学的所見,免疫パラメーターとの関連について―
加辺 純雄, 白沢 建蔵, 岩佐 博, 溝口 修身, 三村 一夫, 寺島 肇, 平出 星夫, 田巻 国義, 黒川 胤臣, 門田 俊夫, 初瀬 一夫, 河野 道弘
防衛医科大学校第1外科
切除胃癌161例を対象に,術前血清CEA値と病理学的因子および免疫学的パラメーターとの関係を検討して以下の結果を得た.1)胃癌進行につれCEA陽性率は上昇傾向を示し,CEA値はstage IVで有意に高かった.2)肝転移,腹膜播種でCEA値は有意に高かった.3)リンパ節転移高度例はCEA高値を示した.4)膠様癌,乳頭腺癌は他組織型より高いCEA値を示した.5)肉眼分類で,0,1,2,3,4型とCEA値上昇傾向を示し,2,3,4型は0型より有意なCEA高値を示した.6)免疫学的パラメーターとCEA値の間に有意な相関を認めなかった.以上よりCEAは,免疫能との関係は認められなかったが,予後規定因子と強い相関を示した.
索引用語
血清CEA, 胃癌予後規定因子, 免疫学的パラメーター
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