原著
肝海綿状血管腫に対する外科的治療について
高木 弘, 森本 剛史, 安江 満悟, 宮石 成一, 山田 栄吉, 加藤 久1), 種広 健治1), 木戸 長一郎2)
愛知県がんセンター病院第3外科, 同第1内科1), 同 放射線診断部2)
近年画像診断法の進歩により,上腹部不定愁訴の患者に大小さまざまの肝海綿状血管腫が診断され,その外科治療の適応が問題となっている.われわれが外科治療を行ったものは6例である.肝切除を含む摘出が5例で,右肝動脈結紮をしたもの2例(1例は左右肝臓に1個づつ存在した).いずれも術後経過は順調である.手術を拒否して経過観察中の症例が3例あり,観察期間は3ヵ月から10年である.肝海綿状血管腫は,たとえ大きくなるとしてもその程度は小さいものと推定される.外科治療の適応は症状,手術侵襲度,肝障害の合併と残存肝機能,経過観察による大きさの変化等を考慮して決定されるべきである.
索引用語
肝海綿状血管腫, 肝切除, 肝動脈結紮
 |
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|